会費が会社負担の場合、経理担当は悩む・・・

忘年会費の勘定項目

幹事はしっかり忘年会費の勘定項目を理解しておくことが大事だ。

忘年会の最近の主流は、各自が会費を出して開催するというスタイル。でも中には会社が全面負担で忘年会を行う、なんて景気のいい会社もあるようだ。会費制ならそれほど面倒くさくないのだが、会社負担となるとその後の勘定項目について経理担当も悩むもの。この場合はどういう勘定項目で処理をしたらいいのだろうか。

社員全員参加の社内行事であれば福利厚生費

会社が忘年会の費用を全額負担するときは、基本的に「福利厚生費」として処理する。これは忘年会を社内行事のひとつとして捉えた考え方によるもの。社員におおむね一律に供与される飲食に要するお金であれば、福利厚生費に該当するという訳だ。ただし、これは忘年会が基本的に社員全員参加の社内行事であるかどうかということが必要。結果的に仕事や家庭の都合などで参加できなかった社員がいたとしても、会社が負担した費用は福利厚生費として計上されるということだ。また会社から出る費用をオーバーして、もしも個人徴収分が出たとしても、こちらは会費に計上せず不足分だけを福利厚生費として処理する。

景品はモノやギフト券なら福利厚生費、現金はNG

忘年会では余興としてゲームやクイズがよく行われ、当然景品もつきもの。この景品に係る費用も福利厚生費にしても問題ない。これは景品を取得する可能性が社員全員にあるため飲食代と同じく社員一律に供される費用として考えられるからだ。またビンゴなどの景品は会社での個人の成績や地位などに関係するものではないので、忘年会の費用の一部ともみなされる。あくまでも、景品をもらえる対象は社員全員であることが重要だ。また景品を現金にするのはNG。この場合は福利厚生費ではなく、給与として扱われてしまう。ただし商品券や図書券、ギフト券などは大丈夫。さらに景品が何十万もするなど、あまりに高額である場合も福利厚生費としてみなされない場合があるので注意しよう。

会社全体規模の行事ではない場合は社内交際費

次に、部署などで行われる忘年会の費用について考えてみたい。例えばある部署では忘年会を行うが、違う部署では行われないといったケースがある場合、これは社内行事とはいえないため、会社が負担した費用は社内交際費もしくは給与に該当する。ただし部署単位でばらつきがあっても、通念として忘年会は会社行事のひとつとして考えられていて、かつ役員のみなど特定の人だけを対象にしていない場合は福利厚生費として処理できる場合もある。ひとつ注意したいのは、忘年会を行わなかった部署の社員に対して、その費用に相当する金額を渡した場合。この場合は給与とみなされる。

社外の人との忘年会は5000円交際費基準を適用

5000円交際費基準を受けるには書類が必要

取引先やお客様など、社外の人と忘年会を行う場合はどうなるのだろうか。このような時は基本的には交際費だが、「5000円交際費」という基準が適用される。これは忘年会の費用を、参加した人の数で割った金額が5000円以下であれば交際費に含めなくていいという基準だ。この基準を受けるには、「忘年会をした年月日」「忘年会に参加した得意先、仕入れ先その他事業に関係のある者などの氏名または名称およびその関係」「忘年会に参加した人数」「その費用金額ならびに飲食店の名称および所在地」を記載した書類が必要だ。また相手を送迎するタクシー代は5000円基準の適用にはならず、交際費として処理をすることになる。

全員参加の二次会費用も福利厚生費として扱う

さて、盛り上がれば盛り上がるほど忘年会には二次会がつきものだ。この二次会の費用はいったいどのような処理になるのだろう。二次会の費用も会社が出す場合、社員全員を対象として、常識的な金額の範囲であれば福利厚生費として扱うことができる。しかし二次会まで流れるというのはおおむね全員ではなく、一部のメンバーに限られるだろう。その場合は社員一律に該当しないため社内交際費とするのが妥当だ。また帰りのタクシー代をもしかり。基本的に全員参加の忘年会なら、福利厚生費として処理することができる。

出典・参考
http://acestrategy.jp/keizai/572.html
http://www.radia.co.jp/news-a1301.html
http://www.toyama-tax.info/%E5%BF%98%E5%B9%B4%E4%BC%9A-%E4%BA%A4%E9%9A%9B%E8%B2%BB/