会社の忘年会って強制参加なの?
任意参加といえども半ば強制参加?!
多くの人にとっては年末のお楽しみのひとつとなっている忘年会。しかし、会社の人とどうしてもそりが合わないから、必要以上に一緒に酒など飲みたくない、あるいは勤務時間外まで会社と関わり合いたくない、など中にはいろいろなポリシーがあって忘年会に出たくない人もいるものだ。ひどい人になると、毎年のことながら忘年会の出欠が回ってくるだけで胃が痛くなる、なんてこともあるという。
さて、忘年会とは必ずしも参加しなくてはならないのだろうか。例えば忘年会の当日に仕事が締め切りや納品に追われていたとしても、とりあえずそこで仕事の手を止めて忘年会に参加して、また会社に戻って仕事するといった人も少なくないという。また忘年会に参加したせいで、次の休日に出勤をせざるを得なくなったという例もあるようだ。
多くの会社では「任意参加=強制参加」
多くの会社では「任意参加」といいながらも、半ば強制参加となっているのが現状だろう。会社から「忘年会に必ず出席するように」と指示された場合、これは労働者が使用者の指揮命令下に置かれていると客観的に判断されることがある。この場合、忘年会に参加する時間は労働時間とみなされるという説もある。そして、忘年会への参加の可否の権利が社員に与えられていない場合に限り、残業代も請求できるということもあるそうだ。ただしこの場合、実際には参加しなくても特に不利益を課せられない場合は、参加の指示があったとはいえず残業にはならないという。
法律的には勤務時間外であれば参加の義務はない
ちなみに労働省によると、労働者が会社に従わなければならないのは勤務時間の間だけという原則があるそうだ。社員はあくまでも労働契約を結んで働いているのだから、指示や命令ができるのはその時間内のみ。よって労働時間外に行われる忘年会は自由参加ということになり、参加の義務はないという。
また忘年会の費用の問題も関係してくる。本来、半ば強制的に参加をしなくてはならないなら、会社が費用を全額負担してしかるべきだ。しかし実際は、個人負担の割合のほうが多い。強制されるのに個人負担で、とは納得いかない人も多いだろう。厄介なのは参加費用をあらかじめ集金している場合だ。集金がもし労使協定で「親睦会費」として集められているのならばお金は戻ってこないのだ。
一番つらいのは、上司や同僚に「あいつは付き合いが悪い」と思われること。中には忘年会に参加しなかっただけでパワハラまがいの被害を受けた、という人もいる。本来は許されないことだが、上司が年輩の場合や会社の体質自体が古い場合は、こういう事態に陥ることも稀ではない。
断るのであれば円満な理由で
ではどのようにしたら円満に断れるのだろうか。一番害がない理由としては健康上のことだ。「喘息があって、空気の悪いところにいると発作を起こすことがある」「先日から偏頭痛が激しくて、仕事をするのが精一杯。家で休ませてほしい」など、もっともらしい理由を考えておくことがコツ。肝臓が悪いから酒が飲めない、など内臓の病気を理由に宴席を断るという手もある。また「家族に要介護の身内がいて、休日は交替で面倒を見ている」「休日は家族の仕事を手伝っているので時間があまりない」など、家族のことを理由にするのもベターだ。会社も個人のプライベートまでは立ち入れないので、そこは仕方なく欠席を受け入れざるを得ないだろう。いずれにしても、後々の仕事に影響しないようにうまく断りたいものだ。
参考:忘年会を断りたい!上手な理由で切り抜けるコツ
参加する事のメリットも沢山ある
しかし、どうせなら忘年会も会社の人間関係における大切なコミュニケーションだと割り切って、思いきって参加してみるのもいい。これまでなじめなかった上司や同僚の意外な一面が発見できる、あるいは自分の所属する部署以外の新たな人間関係ができるなど、普段よりリラックスした雰囲気になる酒の席ならではの利点もある事だろう。
出典・参考
http://www.bengo4.com/roudou/1102/n_1051/
http://www.roudousha.net/private/Work3private003.html